
大正生まれで素晴らしくハンサムなAさんが、いま夕食を終えようとしている。
湯飲みに残ったお茶を空になったご飯茶碗に移して、箸で丁寧にご飯粒をはがし、それを両手で持って飲み干し、最後に手を合わせていた。
しばし他の利用者さんの介助を忘れて、その一連のうごきに見惚れてしまった。
これはごく日常の一コマだが、それをふまえて自身の乱れた食生活、さらにカッコつけて日本の行く末などを論じることよりも、それを見て美しいとマジで心から感じられたという点を強調したい。
このような景色にしばしば出会うことができることは、実に貴重なことなのではないかと思う。ショートステイ介護職員